○住職紹介













平成9年8月15日
下野新聞掲載
原文のまま

栃木県警察少年補導員連合会会長を務める栃木県栃木市皆川城内町の照光寺の伴乃昶 (おおともだいえい)住職は、18年間の少年指導の活動が認められ、少年補導功労者 として警察庁長官から金賞を贈られた。

伴さんが少年補導員を始めたのは、1979(昭和54年)子供たちと接するのが好きで、 住職の傍ら、家庭教師や塾講師、学童野球の監督を務めていた。「子供が好きなら補導員 をやってみないか」と、当時あった泉川駐在所の警察官に勧められたのがきっかけだった。 その時、たくさんの少年たちと真正面に向き合い、接してきた。85年から栃木署管内 少年補導員(指導員)委員会長、89年から県の連合会長を務めている。

しかし、苦い経験もたくさんあったという。登校拒否をする中学生に、「同年代の仲間と 交流してほしい」との願いから、学校までの送り迎えを続けた。しかし学校へ行っても 授業に出られず、保健室にぽつんと残されたその生徒の姿を見て、「無理に学校に行かせて 逆にその子に屈辱を与えてしまった」と振り返る。
「人間は一人ひとり違うので接し方もさまざま。そこが難しい」

今回の受賞について「昔も今も子供は素晴らしい。親や周りの人間が親身になって正しい 方向に導くことが大切。私は近所の”うるさいオヤジ”に徹し、この金賞を糧にして これからも子供たちと付き合っていきたい」と話している。